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【開かれた政府】オバマのやることはデカイ、鳩山はセコイ ニュース記事に関連したブログ

2010/03/13 23:57

 

 

オバマ政権の政府支出“まる裸”大作戦

 

つぶやくだけの鳩山首相とは大違い!

 

Diamond Online > IT・技術 > ビジネスモデルの破壊者たち
【第81回】2010年02月12日 瀧口範子(ジャーナリスト)

 

鳩山由紀夫首相がツイッターを始めて話題になっている。だが、「今日は○○○していました」などと愛らしくつぶやいているだけでは、インターネットの利用法でオバマ大統領に5年どころか、10年も20年も後れを取ってしまうだろう。その証拠に次のサイトを見てほしい。

 

「USA Spending(アメリカ政府支出)」と、やけにまっすぐな名前がついたサイトだが、その内容がすごい。

 

たとえば、右下に出てくる「2009年度請負い業者トップ5」というリストがある。つまり、昨年度政府調達の中でも契約料総額が最大だった企業5社が並んでいる。トップはロッキード・マーチンで、383億2781万6102ドル。その下にボーイング、ノースロップ・グラマン、ゼネラル・ダイナミックス、レイセオンが続く。

 

ロッキード・マーチンの社名をクリックしてみよう。すると、契約料のうち入札によって得たものがどの程度で、指名契約はどの程度、また以前から継続されている契約料がどれくらいの割合を占めるのかを示す円グラフが出てくる。

 

ロッキード・マーチンに払った契約料の製品分野別の内訳もあって、航空機、戦闘機、防衛ミサイルなどが金額とともにリストアップされている。政府のどの機関が契約を結んだのかも明らかにされている。ちなみに、海軍、空軍がトップ2だ。

 

さらに、情報を辿ると、その契約金が落ちた選挙区はどこか、そしてその選挙区の議員名も記されている。企業と政治家、政府調達の関係が一目瞭然だ。

 

実はこの「アメリカ政府支出」サイトは、オバマ大統領が就任直後に初めて大統領発令した「政府の透明性とオープン性に関する覚書」に基づいて作られたものだ。

 

昨年末には、「オープンな政府のための指令」が出され、透明でわかりやすい情報開示を実現するために、各省庁からCTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)などの情報データ担当者34名を集めたワーキング・グループも作られた。さらに、より上級の役人たちで構成される、データの信頼性を“保持”するための組織も出来た。

 

オバマは、周知の通り、大統領選の際にフェースブックとツイッターとインスタント・メッセージングを多用して草の根的に国民の賛同を盛り上げていったが、大統領に就任してからは、インターネットとITの潜在力をさらに積極的に掘り起こしている。

 

いつまでも「つぶやく」だけにとどまってなどいないのだ。アメリカのテクノロジー関係者は、今やツイッターよりもずっとこちらの方を注目していて、「オープン・ガバメント」という言葉は、社会学の分野でもITの分野でも、一種の流行語になっているくらいなのだ。

 

ホワイト・ハウスの「オープン・ガバメント・イニシアティブ」のページにはこうある。

 

「長い間、アメリカ国民はワシントンでまかり通っている秘密主義的文化につきあってきました。そこでは、情報は隠され、税金は痕跡もなく消え、ロビイストたちが過度な影響力を政治に与えてきたのです」

 

そして、このオープン・ガバメント・イニシアティブは、「特定の利益グループの政治への影響力を抑えるために、ロビイストが政府機関のアドバイザーに就いたりすることを防ぎ、(中略)各政府機関がどのように税金を使っているのかを追跡する」という。

 

つまり、この「オープン・ガバメント」というのは、国民に対する情報開示であると同時に、オバマ政権が各省庁を横断してその支出を監視するツールとしても機能しているというわけだ。

 

実際、これだけのデータを自分で集めようとすると、以前ならば大変な手間のかかる作業となった。異なる省庁にアクセスし、数字が羅列されたわかりにくい表を入手し、さらに別の政府機関が出す数字と比較する……。それがここでは、実にわかりやすいグラフになって表現されている。もちろん、このサイトから各省庁のサイトへ飛んで生のデータを見ることもできる。

 

こんなことが可能になったのは、オバマ政権下で初めて任命された連邦CTOと連邦CIOの存在のおかげだ。CTOのアニッシュ・チョプラ、CIOのヴィヴェック・クンデラは共に地方州政府でテクノロジー担当者を務め、オバマの政権移行チームにも関わっていた。この2人が、サイロ状に閉じていた各省庁のテクノロジー・システムとデータをつなげ、掘り起こしたデータ間の関係性をわかりやすく開示する基礎作りをしているのだ。

 

「オープン・ガバメント・イニシアティブ」には、もうひとつ思い切った試みがある。data.gov(政府データ)」というサイトである。

 

これは、各省庁が持っているデータのAPIを公開して、それをプログラマーたちに好きなように使ってもらおうというサイトだ。つまり、「アメリカ政府支出」サイトでオバマ政権がやっているようなことを、国民にもどんどんやってもらって、データからさまざまな真実を突止めてもらおうというわけである。

 

アップルのスマートフォンがiPhoneアプリで盛り上がっているのはご存知だろうが、政府がちょうど同じようなことをやっていると言えばわかりやすいだろうか。

 

データをプログラム可能なものにして公開し、外部の第三者が異なったデータをマッシュアップして、もっと使えるものを作るという仕組みである。こうしたものがあると、政治家の資金の出所と賛成した法案の相関関係や、政府の地方補助金と長期的な雇用創出の関係なども、簡単に見られるようになる。

 

今やこのオープン・ガバメント・イニシアティブは、ワシントンから始まって全米の州に波及している。州政府も同じようにデータを公開し、地元のプログラマーが地図上に犯罪が起こった場所をリアルタイムでプロットするようなサイトも作っている。アメリカはもう、オープンなデータ公開なしには政治の信頼性が成り立たないという状況にもなっている。

 

鳩山首相にも、そろそろツイッター以外でITリテラシーを示してもらいたいものだ。 

 


[執筆者プロフィール] 

瀧口範子(ジャーナリスト)。シリコンバレー在住。著書に『行動主義:レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家:伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。 

 

カテゴリ: IT  > インターネット    フォルダ: 開かれた政府

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